断熱材のいろいろ~5つの種類の断熱材をご紹介します~
断熱材といっても様々な種類の断熱材があります。今日は以下の5つの種類の断熱材の特徴などをご紹介します
①グラスウール
②ロックウール
③セルローズファイバー
④現場発泡断熱材
⑤発砲プラスチック断熱材
①グラスウール~ガラスをリサイクルしたエコな断熱材~
≪特徴≫ 低価格で完全性と耐久性に優れる
『グラスウール』はガラスを繊維状にした断熱材のことで、断熱材の中で50%以上のシェアがあります。
最大の特徴は他の素材を圧倒する価格の安さ。原料の80%以上にガラス瓶などのリサイクルガラスが利用されており、
使用後のグラスウールも再利用可能な環境負担が小さい素材です。安全性と耐久性にも優れており、
IARC(国際がん研究機関)の検査で人に対して発ガン性に分類されないとの評価を受けています。
施工の際に発生する粉塵も害は少ないとされています。耐久性も30年近く性能が劣化していないことが確認されており、
ガラスという素材の特性上、不燃で燃えにくく、万が一の火災の際にも有毒なガスは発生しません。吸音性が高いもの特徴です。
②ロックウール~熱や火に強い断熱材~
≪特徴≫ 高い断熱性と保温性、耐火性
『ロックウール』は高炉スラグや玄武岩、その他の天然岩石などを主原料として加工した人造の鋳物繊維で、
断熱材などに幅広く使われています。加工性に優れ、さまざまな形に対応が可能です。
湿気に強く、断熱性や保温性、耐火性、さらに吸音性も高い繊維です。ガラス繊維のグラスウールのように密度による商品の
違いがないので商品選びがしやすく、耐火温度もグラスウールが600℃~700℃なのに対し、
ロックウールは700℃以上の高温にも耐えられます。『ロックルール』という名前から、アスベスト被害を出した、
石綿と混同されることもあります。しかし、石綿は天然の繊維で、ロックウールは人造の繊維です。
石綿よりも繊維が太いなど、まったく異なるものです。
③セルローズファイバー~火に強くて防音性も高い断熱材~
≪特徴≫ 紙が主原料の環境に優しいエコ素材
『セルローズファイバー』は、天然の木質繊維を利用した断熱材のことです。
主に新聞古紙などを原料としており、環境に優しい≪エコ建材≫として注目を集めています。
製造過程においても二酸化炭素等の有機物質を発生させず、消費エネルギーが少ないのが特徴です。
欧米では素材別シェアで35%となっており、断熱材の中で最も利用率が高い素材です。
環境にいいだけではなく、断熱材としての性能にも優れています。原料が紙であるにもかかわらず
特に防火性能が高いのです。薬品によって防燃処理がされており、準不燃材料が国内で使われます。
1000℃の炎にも表面が焦げるだけで燃焼することはありません。さらに、もう一つの特徴として
防音性の高さがあげられます。繊維の中にたくさんの空気泡を持つため音を吸収しやすいのです。
断熱材として利用すれば、戸外の騒音や階上の音の軽減、さらには二世帯住宅のプライバシー保護など
に効果を発揮し、生活環境の向上が可能です。
サンコウホームでは『アップルゲート セルロース断熱』を使用しています。
④現場発泡断熱材~現場で吹付!簡単施工の断熱材~
≪特徴≫ すき間のない施工が可能
『現場発泡断熱材』とは主にウレタンフォームなどの液状の材料を壁や屋根に吹き付け、
発泡させる断熱材のことです。グラスウールやロックウールなどの繊維系断熱材は、
気密性を保持するために難易度が高いのに比べ、現場発泡断熱材は吹き付けた液剤が約100倍に
膨らみ、隙間のない施工が可能です。膨らんだ断熱材には小さな気泡があり、吸音性能がよく、
防音効果も高い断熱材です。しかし、現場発泡断熱材の中には年数の経過で気泡内部のガスが抜け、
性能が劣化することがあります。ほかの断熱材より、火に弱いというところもデメリットです。
⑤発泡プラスチック系断熱材~施工性の高い断熱材~
≪特徴≫断熱性能が高く施工性も高い
『発泡プラスッチック系断熱材』は石油原料の樹脂を発泡させ、ボード状に加工したものです。全般的に断熱性が高く、近年は外張り断熱工法に使用され市場を拡大しています。たわみがなく施工できるため、床は発泡プラスチック系断熱材、壁は繊維系と使い分けることも多いです。また厚みを抑えて設計できるのも特徴です。