京都市左京区S様の漆風呂(うるしぶろ)が完成しました!

2023年04月03日 現場中継ブログ

今回は漆塗職人をされている京都市左京区S様より漆風呂(うるしぶろ)新調のご依頼をいただきました。

漆風呂と聞くと一見、浴室(?)と思ってしまいますが、実は・・・違うんです!

漆風呂(うるしぶろ)とは・・・!?

漆の性質を考えてつくられた設備のことでして、漆の乾燥には湿度が必要なため、特殊な環境を作ることが必要になります。

漆を乾燥させる専用の設備を漆風呂(うるしぶろ)といいます。

写真は漆塗職人のS様が現在使用されている漆風呂になります。

大人の背丈くらいある大きなサイズの漆風呂です。

そしてこちらがそれより小さいサイズの漆風呂で、こちらに代わるものを今回新調させていただくことになります。

茶色く細長い棒のような物が漆を塗ったあとの桟(さん)と呼ばれる物になります。

こちらの漆風呂では7尺の長さの物までしか対応しておらず、8尺まで使用できるものをご希望でした。

乾燥させるために一度水をかけるそうなのですが、設備が古くなり水が染みてくるためブルーシートなどで補強をして使用されていました。

こちらは打合せ風景になります。

どういった仕様で作成させていただくかを実物を見ながらお伺いしています。

右からお施主様、営業担当、大工です。

~漆風呂造作~

お施主様よりお伺いしたご要望を形にするべくいよいよ作業を始めていきます。

今回、主に使用する木材は杉・米松になります。

大工が木材を使用する部分ごとにカットしました。

カットされた材料を箱状に組み立てていきます。

8尺の桟(さん)が乾燥できるサイズで作成しています。

また、以前よりも高さのあるサイズにもなっています。

箱にかけ渡している短い木材は乾燥させたい物のサイズに合わせて自由に移動させることができます。

木材を引っかける高さ(赤矢印)、幅(黄矢印)を調節できるので小物から大きな物まで対応が可能です。

最後に蓋を取り付けて漆風呂の完成です!

以前より長さも高さもあるサイズにバージョンアップしました。

短い木材を写真のように、縦、横、本数も調節してもらえるように作成しています。

実際に使用していただきました。写真のように小さいサイズの物から長くて大きなサイズの物まで使用できて以前よりも使い勝手が良くなりました!

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